1年1回1分では少なすぎないですか?

2019.08.06

  被爆から74年目を迎え、令和の時代になって最初の広島での平和記念式典が、総理大臣も出席して台風8号の影響による小雨の中、厳かに執り行われました。 

  その昔インドの病院に救急搬送された友人が担架で処置を待っていたところ、看護士さんがどこからともなく現れ、『この人が日本人か!』と言う顔をして”見物”にやってくるのでした。 初めて目にする本物の日本人がここに居る、という感じでした。

 そこでその彼から最初に出た言葉が、『日本って、ヒロシマに原爆落とされた国でしたよね?』でした。 

 世界から見て日本を一言で現わすと、”世界で唯一核兵器を実際に使われた国”だと言うことを、その時思い知らされました。 

 今日の式典は朝8時に始まって、きっちり50分間で終了していました。 その中で平和の鐘と共に、原爆投下時間の8時15分から1分間の黙とうがありました。

 この1分間の黙とうを通して、犠牲になられた方達へ想いを馳せ、平和への誓いを新たにする、と言うことでしょう。 

 1分間の間に様々な想いが去来して一人一人が過ごすわけですが、これが1年に1回だけだとすると、ちょっと勿体無い気がしませんか?

 あの黙とうを5分にしてみる。 さらに10分にしてみる。 さらに15分、20分、30分と長くしてみる。 

 1分間は頭の中に浮かんだことと共にあっと言う間に終わってしまうかも知れません。 それが5分、10分、15分になっていくと、これまでと違う状態に変化していくことに気づいてくるはずです。

 友人や家族に勧められて瞑想を始めた方からよく聞く話に、『じっと座っていられない』と言うのがあります。 

 そう言う方へのアドバイスとして時々お願いするのが、『まず黙とうだと思って、目を閉じる時間をとってみてください』、と言うことです。 瞑想という心のテクニック云々の前に、まずは起きていて目を閉じて自分と向き合う”黙とう”の体験をしてもらい、その時間を少しずつ長くしてもらいます。

 人は自分で気付く以外に気付くことは出来ないので、黙とうの時間が長くなった時のご自身の変化に気づいてもらいます。 稀に好転反応的なこともありますが、ほとんどの方はスッキリする方向への変化を感じるはずです。 

 それが基盤となって、心のテクニックが花開く土壌が作られていきます。

 世界唯一の被爆国である私たちこそ、黙とうを深め、そこから生み出される平和の礎を未来に繋げていきたいものです。

 

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