マインドフルネス瞑想との幸福な出会い 

2017.08.17

バンテ師

バンテ師

今から23年ほど前、ニューヨーク発、スペインのマドリッド行きの飛行機に乗り込むと窓際にとった座席に座り込みました。 暫くするとオレンジの袈裟を着たお坊さんが、おもむろに隣の席に座り、かけていた袈裟袋の紐を前の座席にかけます。 前の座席の人が、その紐を気にして振り向くと、『お嫌ですか?』と言って袈裟袋を膝の上に持たれました。

伺うとワシントンDCの郊外にご自身の修行のお寺を運営されていて、ビジネスマンなどが修養の為にやってくるのだとか。
また、最近ご自身の書かれた本のスペイン語版が出版され、それが縁で講演を頼まれてスペインに向かうところだとおっしゃいます。

その2年ほど前にタイの仏教寺院に3ヶ月ほど滞在していたこともあり、上座部仏教のお坊さんがどんな修行をされるのか、一度じっくりお話を伺いたいと思っていました。 それからの移動時間が俄然楽しみになったのを、昨日のことのように思い出します。

それから8時間のフライトの間、このお坊さんとほぼノンストップで話が弾みました。
米国から欧州へのフライトは、朝に現地に到着するので、飛行機の中では寝ておかないと着いてからが大変になります。
ですから、きっと寝ておきたかったことでしょうに、嫌な顔一つせずに、話し相手をずっとしてくださいました。

フライトがそろそろマドリッドに近づいてきた頃、そのお坊さんがおもむろに、『いや〜日本語はすっかり忘れました!』と突然鮮やかな日本語でおっしゃるではありませんか。 こちらは鳩に豆鉄砲状態でキョトンとしてしまい、どこでそんな日本語を覚えられたのですか、と尋ねるとこう答えられました。

『以前にワシントンDCの自分の寺に日本のお坊さんが、長いこと滞在された。 ところが、その方はいつまで経っても一向に英語はお話にならない。 しかし、その方とどうしても仏教のお話をしたかったので、私の方が日本語を勉強して覚えることにしたのです。』とおっしゃいました。

この時、当番が偶然隣合わせになった方こそ、スリランカ出身のバンテ師として知られる方で、今話題のマインドフルネスという言葉が、米国で一般的に使われるようになったのは、その著書『マインドフルネス・気づきの瞑想』のオリジナル版が、1992年に米国で出版されてベストセラーになったことに遡ります。

スペイン語版というのは、このオリジナルの本が翻訳されたものだったのですね。 現在、15ヶ国語に翻訳されているのだとか。

因みに米国のアマゾンのサイトでは、マインドフルネスに関する本のカテゴリーの販売No.1は今でもバンテ師のこの著書のオリジナル本”Mindfulness in Plain English”になっており、425人の読者書評が載っています。

今でこそマインドフルネスの本が色々登場していますが、一冊読むとしたらこの本をお勧めします、という書評が多く登場します。

この本の中には、そもそもなぜ瞑想をするのか? その出発点に関して、とても良い説明がまず登場します。

”私たちは皆、ある種の『満たされなさ』を抱えて生まれてきている。 (逆に言えばそうだからこそ、それを解消しようと、私たちは生まれてきたとも言えます。) それを『満たそう』と面白いテレビ番組に興じて一時的に忘れることは出来るかも知れないが、必ずその『満たされなさ』は再び顔をだす。 そして、良い仕事についたり、恋をしたり、試合に勝ったりすると、懸念は振り払われ、幸せに感じる自分がいる。 しかし、それも永遠には続かない。 やがて、その幸福感は、過去の記憶となり、またあの『何か足りない』気分が蘇る。” {””内は当番の抄訳。()内は、こちらで補足したもの}

その後、第8章から具体的な瞑想のステップが示されていきます。 その詳細は著書にゆずるとして、これを試してみよう、という気持ちになった当番は、米国に戻るやいなや、バンテ師の主宰する4泊5日の合宿に参加することにしたのでした。

バンテ師の瞑想センター

バンテ師の瞑想センター内

そこで初めてヴィパッサナー瞑想と呼ばれる上座部仏教系の瞑想法に触れました。 バンテ師は、その瞑想法に『マインドフルネス』という英語を当てられた訳です。

それまで15年間ほど全く別の瞑想法を実習していた当番にとっては、なるほどこういうアプローチもあるのか、という新鮮さと違和感とが混在した感想であったことは否めませんでした。

違和感というのは、”今この瞬間に意識を向ける”という、至極当然と思える部分にありました。 そういう方法が自分に合っている、と感じる方はそうすれば良いでしょう。 ただ、当番の感想はその”今に注意を向ける”ということも、『何かをする』ことであり、『何もしようとしない』瞑想方法に、より自然さと快適さを感じる、という自分自身の再確認の機会になりました。

深いところで『満たされない何か』を抱えながら生まれてきた私たちにとって、対象の何かに求める幸せは、砂漠の蜃気楼です。 森を分け入って登る幾山河の尾根の向こうのそのまた向こうに、一面に高山植物が咲き乱れ、それに出会ったら人生が変わるほどの絶景が待っています。 究極の『満たされ』に身も心も包まれる永遠との出会いです。

敬愛するバンテ師も齢89歳になられますが、ご健在であり、今でもその修養施設にて指導を続けていらっしゃることは、嬉しい限りです。

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