誰もが社長さんでした

2021.04.09

長引くコロナ禍の生活変容で、多くの企業が苦境に立たされ、こう言う状況でこそ、その突破力が試される時代となりました。 その最前線に立つリーダーの方々の苦労たるやいかばかり、と思われます。

経営者には自ら会社を立ち上げた『創業経営者』。日本だと中小企業に多いです。 

企業活動に関わる人に購読者の多い日本経済新聞に『私の履歴書』なる長寿コラムがあります。 そこに登場する方が創業経営者の場合、内容が圧倒的に面白い、と言うのが正直な感想です。


そして、社員から就任した『サラリーマン経営者』。日本の大企業では大半がこのタイプでしょうか。


そして、外部から迎えられた経営者がいます。 米国の企業などは比較的このスタイルが多く、多額の報酬が話題になりますが、そもそもの仕組みが違う(これは後述)にも関わらず、この高額報酬だけ真似ようとする日本企業のサラリーマン経営者も昨今散見するようになりました。 自動車会社の経営者で、億単位の報酬の報告義務を逃れて、挙句の果てに国外逃亡した事件などもありました。


創業経営者は自社株式の大株主として、主要な意思決定を行わざるを得ません。 何から何まで自分でやらざるを得ない訳で、全社の全機能に精通するのは当たり前です。 そして何より日本の銀行の『融資の二重保全』という不動産などの担保をとった上で更に経営者の個人保証も求める、という慣行により、ほぼ会社運営の全リスクを背負っているところが、家族の生活と、時には命まで賭けた真剣勝負とならざるを得ない迫力があります。


一方、サラリーマン経営者は、会社を赤字にしても自分の財産を身ぐるみ剥がされることはなく、マイナスのリスクがゼロと言っていいでしょう。 にも関わらず、日本の大企業などではたまに、あたかもオーナー経営者のように死ぬまで顧問などの肩書きを持って院政を敷いたり、会社の秘書や社用車を使い続ける人も出てきます。

 
サラリーマン経営者は大株主でもマイナー株主でもなく、資本と経営が分離している状態で、経営の意思決定をする専門経営者という位置付けになる訳です。 前社長の経歴の中で直接接点があった社員の中で、必ずしも本業で何らかの実績をあげたことがなくとも、調整型の人が次期社長に指名されることも日本の大企業では多いように見受けられます。


外部から経営者をスカウトすることも日本の大企業でも散見するようになりました。 米国の大企業のCEO職ではそう言うケースは昔から多くあります。 余談ですが、日本の経営者で肩書きに『社長兼CEO』と言うのを目にすることが多いですが、このCEOを付け加えることの意味がいまだによくわかりません。


これは先ほど”仕組みが違う”と述べた点になってきますが、CEOと言う言葉(Chief Executive Officer)を分解すると『取締役会で決まった方針を、責任者(Chiefの部分)として、実行する(Executiveの部分)、執行官(Officerの部分)になります。』 取締役会と言う、CEO(ここでは社長と訳しておきます)にとってのボスが決めた経営方針を、社内外の経営資源を巧みに使って、結果が出る形で実行、実現する役目の人を指す言葉がCEOになりますね。 


日本の大企業の取締役会は、社内の後輩がほぼその構成員なので、社長のボスとしては機能しておらず、実質社長の方針を”聞く会”的な要素があります。 


これが米国の大企業ですと、取締役会のメンバーは大株主達が送り込んだ関係者になってきますので、文字通りCEOのボスになり、生殺与奪の権を握っている訳です。 従って取締役はほとんどが社外の人になります。 社外取締役と言う言葉する存在しません。 なぜなら取締役は、そもそも大株主が経営を監視する為に送り込む社外の人だからです。 


米国の大企業では、執行役であるCEO氏も取締役兼任になっていますが、それは取締役会の決定をその場で聞いて、当事者として指示される為ともいえます。 


そして大株主の関心は、株価を上げてくれて、利益をしっかり上げ、高い配当を出す経営をしてくれることです。 その為に雇ってきたCEO氏には、高い成功報酬を約束する訳です。 CEO氏は経営資源を巧みに使うプロが求められ、その代わり大株主のメンバーにしっかり配当を出せば、CEO氏にもご褒美が出る形になります。 年棒にして億円単位の報酬が話題になりますが、大株主にしてみれば、その何十倍も配当等の形で還元してくれていれば安いものです。

 
この様子をみた日本では、企業のガバナンスを高める為と称して社外取締役を義務付けたりしていますが、大株主が送り込む訳ではないので、社内からあがった取締役メンバーが多数を占める中で、実際はオブザーバー的な役割になってしまいます。 それでもオブザーバーがいる緊張は重要ですが、そうなると実際の経営方針決定は『影の取締役会』に移行して、実際の取締役会はその追認の場となっていきます。


これまでは、経営者の種類の話ですが、一番肝心なのはどう言う種類の人でも良いので、経営資源を巧みに使える人が出てくるかどうか、と言うことになるかと思います。 


この『巧みに使う』と言う部分は先見性であったり、目利き力であったり、情報収集・分析力であったり、担力であったりする訳ですが、そう言う経営者がたくさん出てくることで、日本はもっともっと良い国になっていけるはずです。 


よく政治がよくならないと、と言う話も出ますが、日本は制度上、選挙のある民主主義ですから、政治家を選んでいる国民に最終責任があって、人のせいにはできません。 その政治は、突き詰めれば国民から税金の形で集めた富を『分配』するプロセスです。 更に申せば、今は日銀が引き受ける赤字国債の大量発行という、国民の借金を『分配』するのが政治になっています。


その分配に血眼になる気持ちもわかりますが、その前に富を作らないことには始まらない訳で、その富を作ることに大きく貢献するのは政治や行政よりも、資源を巧みに使うことに長けた経営者ではないでしょうか。


そういう優れた経営者を養成する教育機関としては、米国流のビジネススクールが有名ですし、そこでMBAなる修士学位を取った卒業生達が、外部からスカウトされる経営者に選ばれることも多くなっています。 


そういう基礎教育はもちろん重要ですが、ビジネスの現場をくぐり抜けて得られた教育にはかなわない面はあるかも知れません。 


そしてそれらの教育を実際の判断力に生かせるかどうかは、私たちの意識の開発に他ならないことになります。 優れた経営者の決断の根拠は、自分の頭で考えているようで、実際はその頭の外に飛び出した世界から見えてくるものです。


当番が社会人になりたての頃に関わった企業の社長は、オーナーではないものの創業から関わった方でした。 その方が社長になった時に、何を判断の基準にしたら良いのかと自問自答を繰り返したと言うのです。 そして自分の出した結論は、どうも禅で言うところの無我の境地ではないか、と思ったと言われていたのが強く印象に残っています。


瞑想は起きながらにして何も考えない状態を体験する身近な方法ですから、頭の中を常に断捨離してリセットし、創造性の翼を与えてくれることでしょう。


自分や家族の生活圏の社長でありCEOである私たち一人一人が、自分に与えられた環境を巧みに使ってその生活を紡いでいく時、そこから織り出されていくものは、豊かで暖かいものになっていくはずです。 

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