赤毛のアンの花園の愉しみ

2016.03.31

アンを乗せた馬車は緑の切妻の家へと向かう

アンを乗せた馬車は緑の切妻の家へと向かう

”赤毛のアン”物語の映画では、孤児院育ちのアンが列車に乗って引き取ってくれるカスパート家の最寄の駅に到着するところから始まる。そこにはマシュー父さんが、馬車で迎えに来ていてくれる。 アンを乗せた馬車は、緑の切妻の家に向かって春のプリンスエドワード島をぽっこりぽっこりと進む。 そのシーンは桃源郷かと見まがうようなそれはそれは、うっとりする情景でした。

ちょっとばかり気分が落ち込むようなことがあっても、こんな景色の中に自分が入り込めたら、気分だってパーっと晴れること請け合いです。 今の時期、日本でも満開の桜の花のトンネルを抜けているとスッキリと心が晴れてきますね。 ここ3月末頃から4月にかけては、そんな桜のトンネルが日本中で体験できる、一年に一回のお愉しみ桜フィーバー期間です。

でも、そんな桜もあっという間に潔く散っていってしまいます。 桜が散った後に、あの気分の落ち込みがまたやってきたとしたら、どうしたらいいものやら。 アンの感受性があれば、次から次へと楽しみは見つけられるのかも知れないけれど。

愉しみには、対象物がある場合とない場合があります。

好きな音楽を聴いてる時が幸せ。 これ対象物あり。 ゲームをしていると楽しい。 これもゲーム機を取り上げられるまでは、楽しめる。

気分が沈んでいる時でも、桜が咲いてる時期は、桜のトンネルに慰めてもらえる。 しかし、それはせいぜい1週間程度。 後の355日はどうして過ごせば良いのか。 別の楽しみが、簡単に見つかるとは限らない。

一方、対象物が何もなくとも、大きく愉しめることを知っている人たちもいる。
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静坐は心に色々な考えが浮かぶ日常から離れて、対象物がない世界へと、どんどん突き進む。 その先に何もないのに愉しい、と感じる宇宙が拡がってくる。 対象物がそもそもないから、それがなくなる心配がない。 だから、愉しさがなくなる心配がない。

自分の中にお花畑が見つかれば、その花々は散ることがないどころか、増えていく。
 
©天空庵

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